本隆寺 夜泣止松 境内に生える松。
◎持田ノ眼◎ 祖師堂の前に位置する。 戦国時代、五世日諦が、お勤めしようとしたところ、 生活に困窮した一人の女性が、赤ん坊を日諦に預けて、 その行く末を日諦に託して去った。 大永4(1532)年元旦の出来事と伝えられる。 赤ん坊は夜になると泣き出したので、 日諦が赤ん坊をあやそうと、境内の松の木の周囲を歩きながら、 題目を唱えると、ピタリと泣き止んだことから、 この名が付いた。 赤ん坊は、長じて、七世日脩となった。 この逸話から、夜泣止松の松葉は、 赤ちゃんの夜泣きに効能があるとして、 乳飲み子を持つ母親が持ち帰る風習があった。 一見すると、どこにでもある松であるが、 そこには人の営みが込められている。