法界寺 阿弥陀堂
法界寺 阿弥陀堂(国宝)
方五間。
宝形造。
単層裳階付。
檜皮葺。
嘉禄2(1226)年頃、再建。
◎持田ノ眼◎
薬師堂の北側に南面して建っている。
内部の中央須弥壇には、
本尊阿弥陀如来坐像(国宝)が安置されている。
阿弥陀堂内部は、外から想像するよりも、
遥かに広大な空間となっており、その空間こそが、
法界寺阿弥陀堂の持つ大きな特徴と言われている。
その広い空間の中で、阿弥陀如来坐像と対面する時、
そこに浄土が開かれるような気がする。
吹き放しになっている周囲の裳階が、建物をさらに大きく見せるが、
元々は正面部分のみが吹き放しだったらしく、
その他の部分は参篭のための部屋として、
使われていたようである。
この阿弥陀堂の建立時期については、はっきりしていないが、
平安時代末期の様式や鎌倉時代初期の様式が、
建物の各部に見られることで知られている。
有力貴族の仏堂を祖とするものであり、
阿弥陀堂の前で往時の貴族の生活に思いを馳せるのも
趣がある。