六道珍皇寺 井戸 冥府に通じていると言われる井戸。
◎持田ノ眼◎ 本堂庭園に位置する。 小野篁が冥府へ通うのに使った井戸と伝えられる。 小野篁は、昼は朝廷に出仕し、 夜は冥官として冥府で閻魔大王の下で仕えたとされており、 その篁が、毎晩、冥府に向かう時には、 この井戸から出勤した。 井戸を降りる際に、篁は、 井戸の傍に生えていた高野槙を伝って降りたとされ、 その故事から、毎年、お盆の「お精霊さん」には、 先祖の御霊が道を間違えないようにと、 高野槙が供えられるようになった。 因みに、篁が冥府から帰って来るのは、 かつて嵯峨野にあった福生寺の井戸から戻って来たと言われる。 あの世と、この世の境に位置する六道珍皇寺に、 相応しい井戸である。