松尾大社 相生の松
◎持田ノ眼◎ 相生の松は、雌雄の松の木が、 ひとつの同じ根から生えて成長したものである。 残念なことに、昭和31(1956)年に一方が枯れると、 後を追いかけるかのように残された木も昭和32(1957)年に枯れ、 樹齢350年にして、その姿を喪ってしまった。 昭和47(1972)年に、覆屋を施した上で、株を保存することに決まった。 今なお、その太くて大きな株は、悠久の生命の尊さを、 我々に静かに語りかけているようである。 また、この相生の松は、雌雄の樹が睦まじく絡み合い、 お互いに仲良く育った末に長寿を得たことから、 恋愛成就や夫婦和合に、ご利益があるとして、 人々から篤く信仰されている。