大覚寺 心経殿(勅封心経殿)
大覚寺 心経殿(勅封心経殿)
八角堂。
コンクリート造。
大正14(1925)年、建立。
平成10(1998)年、登録有形文化財。
◎持田ノ眼◎
御影堂の北に位置している。
この心経殿には、
嵯峨天皇、後光厳天皇、後花園天皇、
後奈良天皇、正親町天皇、光格天皇による。
般若心経の御写経が奉納されている。
中でも嵯峨天皇の御写経は、
弘仁9(818)年に、京で疫病が大流行した際に、
嵯峨天皇が自ら般若心経を写したもので、それを空海が、
嵯峨離宮において疫病の調伏を祈願したところ、
疫病の拡大被害が収まったと言う。
このことを契機にして嵯峨天皇は自らの御写経を勅封とし、
天下に変事ある時には、勅封を解き、
祈願するようにしたと伝えられる。
現在、これらの御写経は、60年に一度だけ
開封されることになっている。
大正時代の建築物であるために、
ほとんどの拝観客は、この心経殿の前を素通りしているが、
大覚寺の中では、極めて重要な建物なのである。