清水寺 鐘楼(重要文化財) 切妻造。 本瓦葺。 慶長12(1607)年、建立。
◎持田ノ眼◎ 仁王門をくぐり、 石段を登って行くと、 左手に位置しているのが、この鐘楼である。 修理時に新しく塗りなおされた 鮮やかな朱色が目に眩しく飛び込んで来る。 また細部に施された安土桃山建築を代表する装飾が、 実に華やかな鐘楼である。 この鐘楼に架かる梵鐘は、 文明10(1478)年に鋳造されたもので、 こちらも細部に意匠が施され、見れば見るほど 味わい深いものがある。 見所の多い清水寺の中では、 この鐘楼もまたほとんどの観光客が顧みない存在であり、 秘められた価値や美しさは、あまり知られていない。