南禅寺 方丈(大方丈)
南禅寺 方丈(大方丈) (国宝)
入母屋造。
柿葺。
天正17(1589)年、建立。
慶長16(1611)年、南禅寺へ移築。
◎持田ノ眼◎
この大方丈と、小方丈によって、
南禅寺の方丈は構成されている。
大方丈は、天正年間、豊臣秀吉によって、
京都御所の女院御所の御対面御殿として、
造営されたもので、慶長年間の京都御所改築に伴い、
南禅寺に下賜されたものと伝えられている。
枯山水の庭園に面した大方丈の内部は、
脇に鞘屋の間を付けた形の六室に分かれ、
奥の中央内陣が仏間となっており、
聖観音立像(重要文化財)が、
安置されている。
また各部屋には狩野永徳や元信等の
狩野派による豪華な障壁画が描かれており、
外観の質素な雰囲気との対比が
趣深いところでもある。
まさに安土桃山時代の美の宝庫と
呼ぶべき建築物である。