月鉾

(月鉾)

祇園祭の前祭に巡行する鉾。

月読尊に因む鉾とされる。

【歴史】
天明8(1788)年、『天明の大火』での被害は軽微で済む。
寛政元(1789)年、巡行に参加。
天保6(1835)年、隅金具を新調。
元治元(1864)年、『禁門の変(蛤御門の変)』での被害も真木を失うだけで済む。
明治45(1912)年、稚児人形を使用する。
昭和26(1951)年、鉾建中に倒れ巡行に不参加。
昭和27(1952)年、見送「黎明図」を新調。
平成20(2008)年、石持を新調。


【稚児人形】
稚児人形は「於菟麻呂」。

【胴組】

月鉾 胴組

(胴組)

胴組。

【鉾頭】

月鉾 鉾頭

(鉾頭)

鉾頭は、18金の三日月である。現在、元亀4(=天正元、1573)年、正徳4(1714)年、文化8(1811)年のものが存在し使用されている。

【天王人形と天王台】

月鉾 天王人形と天王台

(天王人形と天王台)

天王人形は、三貴神の内の月読尊とされる。天王台は船型。

【真木】

月鉾 真木

(真木)

月鉾 真木

(真木)

真木。

【榊】

月鉾 榊

(榊)

榊。榊の中央には、白幣が飾られる。

【大屋根】

月鉾 大屋根

(大屋根)

月鉾 大屋根

(大屋根細部)

大屋根は、箱棟像で、破風等に精緻な彫刻が施されている。天井裏の外周部には「源氏五十四帖」に倣った図が描かれている。

月鉾 「白兎と九星の霊亀」

(「白兎と九星の霊亀」)

月鉾 「白兎と麒麟」

(「白兎と麒麟」)

軒回りは、円山応挙の「金地彩色草花図」、また、前後の軒下には左甚五郎の「白兎」の彫刻も装飾おり、それぞれ白兎が「九星の霊亀」と「麒麟」と組み合わされている。

月鉾 「八咫烏(三本足の烏)」

(「八咫烏」)

月鉾 「八咫烏(三本足の烏)」

(「八咫烏」)

その「白兎」の真上の屋根には、「八咫烏(三本足の烏)」が配されている。

【水引】

月鉾 天水引と下水引

(天水引と下水引)

前下水引。

月鉾 前下水引

(前下水引)


下水引。

月鉾 下水引「花鳥図」

(下水引「花鳥図」)

月鉾 下水引「花鳥図」

(下水引「花鳥図」)

月鉾 下水引「花鳥図」

(下水引「花鳥図」)

月鉾 下水引「花鳥図」

(下水引「花鳥図」)

月鉾 下水引「花鳥図」

(下水引「花鳥図」)


二番水引。

月鉾 二番水引

(二番水引)


前三番水引。

月鉾 前三番水引

(前三番水引)

月鉾 前三番水引

(前三番水引)

月鉾 前三番水引

(前三番水引)

月鉾 前三番水引

(前三番水引)


三番水引。

月鉾 三番水引

(三番水引)

月鉾 三番水引

(三番水引)

月鉾 三番水引

(三番水引)

月鉾 三番水引

(三番水引)

月鉾 三番水引

(三番水引)

天水引は、「双鸞霊獣図」刺繍。円山応震が下図を描いたもの。下水引は、「花鳥図」、「蘭亭曲水図」等を所有。

【前掛】

月鉾 前掛「メダリオン中東連花葉文」段通

(前掛「メダリオン中東連花葉文」)

月鉾 前掛「メダリオン中東連花葉文」段通

(前掛「メダリオン中東連花葉文」)

前掛は、1600年代のムガール製の「メダリオン中東連花葉文」段通。

【胴掛】

月鉾 左胴掛と各水引

(左胴掛と各水引)

月鉾 右胴掛

(右胴掛)


左胴掛。

月鉾 左胴掛「幾何菱文」段通

(左胴掛「幾何菱文」段通)

月鉾 左胴掛「幾何菱文」段通

(左胴掛「幾何菱文」段通)

月鉾 左胴掛「幾何菱文」段通

(左胴掛「幾何菱文」段通)

月鉾 左胴掛「幾何菱文」段通

(左胴掛「幾何菱文」段通)

胴掛には、左胴掛に1700年代のムガール製「中東連花葉文ラホール」段通、右胴掛にコーカサス製「幾何菱文」段通が使われていることから、「動く美術館」と呼ばれる。

【見送】
「黎明図」染織繍。他に、「双鳳帽額高士勝覧図」綴織を所有。

【石持】

月鉾 石持

(石持)

石持。松材で出来ており、長さ約7メートル50センチ、2本で重さ約3トン。巡行に参加する山鉾中で最大のものである。

【日程】
7月10日、鉾建て。
7月12日、曳初め。
7月17日、巡行。

地図 月鉾

京都市下京区四条通室丸西入ル月鉾町。

pagetop