祇園祭の前祭に巡行する鉾。
古代中国の説話「諫鼓」に因む鉾とも、日本神話の「長鳴鳥」に因むとも言われる鉾。
【歴史】
天明8(1788)年、『天明の大火』で鉾町が被害を受け巡行を休む。
寛政元(1789)年、巡行に復帰。
寛政5(1793)年、天王人形を新調する。
文政8(1825)年、大屋根を新調する。
嘉永4(1851)年、胴組を新調する。
文久3(1863)年、稚児人形を作る。
昭和55(1980)年、胴掛を新調する。
平成19(2008)年、石持を新調する。
【稚児人形】
稚児人形は、幕末に製作されたものであるが、名前は付けられていない。
【胴組】
胴組。嘉永4(1851)年に新調されたもの。
【鉾頭】
鉾頭は、三角形に円が組み合わされた造詣で、諫鼓(古代中国で訴訟に用いられた太鼓)の中に、鶏の卵があることを意味する、と言う解釈もされるが詳細は不明。
【天王人形と天王座】
天王人形は、住吉明神。天王座は、海の神である住吉明神に因み船形をしている。
【真木と網隠し】
真木と網隠し。
【榊と吹き散り】
榊。榊の直上には「吹き散り」が付けられている。
【大屋根】
前部の雌雄の鶏の彫刻。
後部の雌雄の鶏の彫刻。
大屋根の妻部には、雌雄の鶏の彫刻がある。
【水引】
天水引。
天水引は、「瑞雲、日輪と麒麟図」綴錦。天水引後部は鳳凰の図柄。
天水引側面部は御神紋となっている。
下水引。
下水引は「唐宮廷人物図」。
二番水引は「春秋蝶図」。
三番水引。
三番水引は「生花図」。
【前掛】
前掛。
【胴掛】
胴掛「御朱印船角倉図」綴錦。
胴掛は、住吉明神に関連して清水寺所有の絵馬に因んだ「御朱印船図」綴錦。右胴が「御朱印船角倉図」綴錦で、左胴が「御朱印住吉船図」綴錦となっている。
胴掛「草花文」絨毯。
他にも、復元新調された胴掛「草花文」インド絨毯も所有している。
【後掛】
後掛。
【見送】
見送は、ベルギー製綴織壁掛「出陣するヘクトールと妻子の別離」で重要文化財となっている。鯉山の見送とセットになっていたもの。
【日程】
7月10日、鉾建て。
7月12日、曳初め。
7月16日、宵山。
7月17日、巡行。
京都市下京区室町通四条下ル鶏鉾町。