祇園祭の前祭に巡行する鉾。
謡曲「放下僧」に因む鉾とされる。鬮取らずで、前祭の21番目を巡行する。
この鉾が完成した頃、京の巷において、面白おかしく仏法を説く放下僧が人気であったことから、その放下僧の人気にあやかって、天王人形にしたことで、この名が付けられたとも言われる。
【歴史】
明治24(1890)年、大屋根を新調。
昭和4(1929)年、生稚児を稚児人形「三光丸」に改める。
昭和58(1983)年、見送を新調する。
昭和63(1988)年、前掛を復元新調する。
平成5(1993)年、下水引を新調する。
平成7(1995)年、天水引を新調する。
【鉾頭】
鉾頭が日、月、星の三光が下界を照らす形をしていることから「州浜鉾」とも呼ばれる。
【天王人形】
天王人形は、放下僧(東岸居士)。
【真木】
真木。真木に付けられた吹き散り。
【榊】
榊。
【大屋根】
箱棟造。大屋根破風には、鶴の彫刻がある。
【水引】
天水引は、「金地彩丸龍」。下水引は、「琴棋書画図」、「華厳宗祖師絵伝」がある。
下水引。
下水引は、高山寺所蔵の絵巻を題材にした「華厳宗祖師絵伝」綴織。他に「琴棋書画図(与謝蕪村の下絵)」がある。
二番水引。
二番水引は、ウサギと牡丹の柄となっている。
三番水引。
三番水引は、鴛鴦が波間に浮かぶ柄。
【前掛】
【胴掛】
胴掛は、「中東蓮花鉾先文」インド絨毯と「中東蓮花葉文」インド絨毯を復元新調したもの。
【見送】
昭和時代の「バグダッド」が使用される。他に、江戸時代の「唐子嬉遊図」や中国製「唐子嬉遊図」を所有する。
【隅房】
隅房。
会所は、京都市有形文化財。
【日程】
7月11~13日、鉾建て。
7月13日、曳初め。
7月16日、宵山。
7月17日、巡行。
京都市中京区新町通四条上ル小結棚町。