祇園祭の前祭に巡行する鉾。
台車の上に大きな傘を載せた様式は、御霊会の古式を現在に伝承しているものとされる。なお、現在は、稚児6人が鉾を導いて、2基の傘鉾を連ねて巡行する。
【歴史】
天保2(1831)年、北観音山から不要となった胴組の建材を寄贈される。
天保5(1834)年、小型の鉾に改造。
元治元(1864)年、『禁門の変(蛤御門の変)』で焼失。
明治12(1879)年から5年間は、古式に則り歩いて巡行に参加。これ以降、巡行への参加は中絶する。
昭和48(1973)年、「棒振り囃子」が復活。
昭和54(1979)年、再建復興。
昭和62(1987)年、天蓋を新調。
【御神体】
御神体は、金鶏。巡行時、一基目の傘の上に安置される。
【御神面】
御神面。
【綾傘】
綾傘。直径2メートル65センチ。柄の長さ3メートル。これに「垂り」が飾られる。
【垂り】
垂りは、権神体を頂く方が「飛天図」、真木を頂く方が「四季の花」。
【胴幕】
胴幕は、御神体を頂く方が「神紋柄」、真木を頂く方が「青地に綾柄」。どちらも、『禁門の変』の被害を受けなかった貴重なもの。
【欄縁】
御神体の鉾の欄縁は、黒漆塗で四隈には、龍や鳳凰等を彫った金具で装飾される。
【会所】
会所。
【棒振り囃子】
宵山に疫病封じを祈願する「棒振り囃子」が行われる。
【日程】
7月7日、稚児社参の儀。
7月14日、鉾建て。
7月16日、宵山。棒振り踊り。
7月17日、巡行。
京都市下京区綾小路通室町西入ル善長寺町。