祇園祭の前祭に巡行する山。
謡曲「橋弁慶」に因む山。
「鬮取らず」の山で「後祭一番舁山」であるが、その明確な理由に関して不明な点も多く諸説ある。舁山の形態としても、真松も山籠も朱傘も山上に載せないもので、初期の舁山の形態を現在に伝える貴重な山として知られる。また、全てを正面として見送も無い。
【歴史】
天文6(1539)年、御神体人形の牛若丸が製作される。
永禄6(1563)年、御神体人形の弁慶が製作される。
明治5(1872)年、後祭一番の座を北観音山に譲り、舁山一番となる。
昭和58(1983)年、前掛を新調する。
平成26(2014)年、前祭と後祭が復活した際に、後祭一番の座に復帰する。
【御神体人形】
御神体人形の牛若丸と弁慶は共に仏師康運に依って製作された。
【胴組】
胴組。
【水引】
水引は、明製「唐子嬉遊図」を用いるが、平成25(2013)年に復元新調された。
【前掛】
前掛には、清の官服を使った「真向龍」刺繍が用いられていたが、現在は、「椿石図」綴錦が使われている。
【胴掛】
胴掛は、「賀茂祭礼行列図」綴織。
【後掛】
後掛は、「雲龍図」刺繍。
【装飾具】
山の上では、黒漆塗造の「五条大橋」に御神体人形を固定するが、牛若丸を固定する金具は、天文6(1537)年の銘がある(現在は新調した金具を利用)。
【授与品】
弁慶の怪力無双に因んで「弁慶の力縄」が授与される。
【日程】
7月21日、山建て。
7月23日、宵山。
7月24日、巡行。
京都市中京区蛸薬師通烏丸西入ル橋弁慶町。